医療・介護業界においては、特に大きな病院等で働く勤務医を中心に、医療従事者の長時間労働が問題視されています。少子高齢化が進み、人口構造が変化したことにより、患者数が年々増加していることが一因ですが、勤務時間外の当直や呼び出しも増えており、既に過労死や過労自殺のような事態も起こっています。
過労状態での勤務は、医療事故をも誘発しかねない重大な問題であるとしてその対策が急がれており、現在医療従事者の働き方改革・改善が進められています。
高齢社会を迎えた日本では、確かに患者中心の医療は重要ですが、それを支える医療従事者の健康を犠牲にするようでは、結果として医療水準も下がるしかなく、本末転倒です。医療業界全体の安全のためにも、医療従事者の働き方改革は不可欠なのです。
最近では、AI等のテクノロジーも進歩してきており、テレビ電話で遠方からも診療を行えることもあり、そもそも診断を支援してくれるような技術の導入も進んでいます。また、診療等の医療従事者が専任で行わなければならない仕事を除く事務系の仕事の一部を、コンピューターで肩代わりするといったことも進んでおり、様々な技術が日進月歩で進化しています。
従来から言われるように、不足している医療従事者の数を増やし、時間外労働を減らしていくことも重要ですが、様々な新しいテクノロジーを優先的に取り入れることでも、さらに負担を軽減する事ができるかもしれません。質の高い医療を保つためにも、今こそ医療従事者の働き方を考えるべき時ではないでしょうか。